第6話ストーリー
https://www.ntv.co.jp/sorepaku/story/06.html
(1)新規性喪失の例外(特許法第30条)について
学会発表で発明が公知になった後に出願した場合(「出願A」とします。)でも、新規性喪失の例外規定が採用されれば前記の学会発表によって新規性は否定されません。
しかし北脇のいうとおり、出願Aより先に、発表を見た第三者により出願(「出願B」とします。)される可能性が高いです。
ドラマではさらっと流してここで話は切れました。
もう少し考えてみると、出願Bの発明は学会発表で公知になっていますので、新規性が基本的に否定されますね。つまり第三者は特許をとれないのです※。
そして出願Bは出願Aにとって特許法第29条の2の拡大先願にあたるので、出願Aも拒絶されます。そう、発明が公知になった挙句に、月夜野も第三者も特許をとれないという残念なことになってしまうのです。第三者はそれを承知で月夜野を妨害するために出願するのかもしれませんが。
※出願Bが学会発表の内容を大きく超えるような改良発明であれば特許がとれる可能性はあります。
(2)国内優先権制度(特許法第41条)について
不完全な状態でもとりあえず「出願するだけしちゃだめなんですか?」という意見が出ました。
北脇は「拒絶されるだけです」と却下しました。
特許が取れるという確証がなければ意味がない、というのは基本的にその通りなのですが、実務では国内優先権制度の利用も考えられます。
とりあえず現時点でわかっていることを出願して(「出願C」)、あとから内容を+αして国内優先権制度を使って出願Dを出願するのです。これにより出願Dは、出願Cの出願日を基準にして審査してもらえます(ただし+αの部分の審査については出願Dの出願日が基準になります)。
(3)営業秘密
「カメレオンティーは特許出願せずに営業秘密にする。」
「もし第三者が同じ発明を出願したら・・・多額のライセンス料を支払わなければならなくなり、事業を存続できなくなる。これは賭けです。」
なんて会話がありました。
壮大なフラグが出ましたね。
北脇の判断通り何事もなくうまくいけばめでたいのですが、そうはいかないでしょう。ドラマティックなことが起こるからドラマは面白いのです。
この会話の直後に五木が現れましたが、彼は会話を聞いていたのでしょうか。
(4)五木の立ち位置
今回は五木のキャラの掘り下げがありました。モノづくりの大切さを再実感したようです。ドラマだと五木は いい人 なのかな?小説だとちょっとアレな感じだったけど・・・。(小説版を知っていると上記の営業秘密の会話直後に五木が現れた意味を邪推してしまう)
一方、又坂先生が前回不穏な空気を醸しだしていたのでもしや?