●内容紹介(出版社より)
中堅飲料メーカー「月夜野ドリンク」知的財産部の一員として経験を積んできた亜季。北脇とも「思いを贈り合える理想の上司と部下」になれたと喜んだのも束の間。なぜか北脇が厳しく接してくるようになり、亜季は戸惑っていた。そんな折、近頃飲料事業から撤退した会社「今宮食品」が月夜野に自社特許の買い取りを打診してきた。それは月夜野の看板商品『緑のお茶屋さん』にも関わりのある特許なのだが、その金額は法外なものだった。すでに対策済みで問題ないはずなのだが、高額な買い取り価格を提示してきた理由は不明。警戒しつつも静観していると今宮食品は、月夜野が自社特許を侵害している可能性があるとして多数の取引先に通達をしてきて……?
●ここからが読書メモ
亜季の母親が登場しました。
亜季が新幹線の切符を渡し間違えて
亜季の母と北脇の席が隣同士になるというハプニング発生。
2人はお互い素性は知らず、すべてわかっているのは亜季だけで、亜季がハラハラしながら離れた位置からこっそりと2人の会話を見守るという展開に。
この状況だけで面白いし、こうした場面を設定する作者さんには感心します。
実写ドラマでこの場面があったら面白そう。
亜季の母は新しい物が好きなので、通販雑誌をみながら「特許出願中」とか「実用新案登録済み」と書かれた商品についてあれこれ北脇に相談する、という流れ。
なんかもうこの小説は知財の教材のようです。とても勉強になります。
このエピソードに限らず、この小説は知的財産が上手にストーリーに絡めてあります。
もちろん恋愛要素もあり、亜季と北脇、部下と上司、互いに淡い恋心?を抱いているご様子。
2人の関係の行く末も少し気になるところ。
とはいえこの小説は知財の話がメインなので、恋愛要素はスパイス程度に抑えられています、いまのところ。
そして、第3巻では瀬名君の出番が増えてます。
瀬名は亜季が大学生の時にトラウマ級の失恋をした相手です。
瀬名は亜季に思わせぶりな態度をとっておいて、亜季が瀬名に告白すると「見た目が好みじゃない」と振ったのです。
そんな瀬名、今ではパテントトロールの社員になっているわけですが、相変わらず亜季のことを舐め腐っており、学生時代に輪をかけてひどい仕打ちを亜季にしてきます。
第3巻は瀬名のクソ男っぷりが見ものです。
亜季が瀬名を打ちのめして見返してやる展開が見たいのですが、
どうなるかは第4巻以降で語られそうです。
-------------------------------------------------------------------------------------------------
それってパクリじゃないですか? 3 ~新米知的財産部員のお仕事~ (集英社オレンジ文庫) [ 奥乃 桜子 ]
価格:660円(税込、送料無料) (2024/2/13時点)