ドラマ化もされている知的財産エンターテイメント小説の第2巻
読んでみました。
ジャンルはリーガル物に近い?知的財産に特化した作品は珍しい。
知財関連の仕事経験がある私としては楽しく読めました。
第2巻では、特許庁での面接審査の場面がありました
ドラマでも面接審査のシーンはあったけど内容は大きく異なっており、
ドラマでは甘酒に関する特許、小説ではカメレオンティーの改良特許に関する面接審査。
ドラマでは本物の特許庁が登場したので、未視聴の人は是非そちらもチェックしてみましょう。
小説内での特許庁審査官の冴島が行った進歩性の判断はかなりリアルに描かれていました。
本願発明と主引例を対比して一致点と相違点を認定し、相違点については副引例を組み合わせることで埋められるので進歩性がありません、といった判断。
作中では具体的な技術を示しているし、監修がしっかりしている印象でした。
その判断(拒絶理由)に対して、補正や反論で特許査定にするための主人公・亜季達の奮闘が見どころです。
冴島審査官は、かなり変な人で(作中でも独特な人だと説明されてます。)、電話応対で亜季に「あなたは実力不足だから他の人が担当したほうがいい(意訳)」と余計なことを言います。
現実にそんなことを言う審査官はほぼいません。
真に受ける読者がいないか心配。
小説用の尖ったキャラクターとしては面白いです。
知財の情報を絡めながら、亜季の知財部員としての成長が描かれていました。
知的財産の勉強になるし、知財を学び直してみようというモチベーションになりました。
第3巻へと続くような展開だったので今後が楽しみです。
※ご都合主義な展開もありますがそこはご愛敬。