発明で食っていく方法、全部書いた。(フリック入力をマイクロソフトに売却して人生100回分稼いだ発明家が明かす、発想法からマネタイズまで) 小川 コータ(著) 家の光協会 の読書メモです。
内容紹介(出版社より)
地上最強の発明入門書誕生! 日本におけるフリック入力の考案者であり、幾多の発明を成功させてきた小川コータさんが、発明から特許取得、マネタイズにいたるまでの秘中の秘を一挙大公開。実践に裏付けされた千金の価値がある知識とテクニックを惜しみなく紹介します。発明で世の中を変えたいと思っている人、発明でお金持ちになりたいと思っている人、超必読の一冊です。
私のバックグラウンド
まず私のバックグラウンドを書きますと、私は化学系メーカーで数年間、開発部で製品の開発に携わり、その後知財部に移って特許関係の仕事をしていました。
企業内で職務として発明をし、特許を取ったこともあるのだけれど、職務以外で個人として特許を取ろうとは、ほとんど考えませんでした。なぜかというと、個人で特許を取るのはとても大変だからです。
個人で特許を取るのは大変
たとえば私がこの本で紹介されているフリック入力のアイデアを思いついたとしても、それを実験するための設備がありません。
試験用にタッチパネル装置を作ることも予算的に厳しいですし。
特許出願用の書類を作るにはそれなりの知識が必要ですし、出願料が結構かかります。
審査段階では、審査官からの拒絶通知に対応することもあります。
対応をうまくやらないと、権利が取れなかったり、とれたとしてもとても狭い範囲の権利になってしまいます。
特許登録料も決して安くありません。
企業内ならそのあたりのお膳立てがされているのですが、個人でそれをするのは超大変。
そして、そこまでして特許をとってもそれを生かしてお金を稼げるかはわかりません。
割に合わない可能性があります。
世の中に個人発明家の方がいるのは知っていましたけど、そこまでのバイタリティは自分にはないと思ってました。
こういう事情があるので、私は個人で発明をするのはナシ、と思ってました。
本の感想
そんな私がこの本を読んで考えが少し変わりました。
著者の小川コータさんはフリック入力の特許を取ったときは、特許事務所に所属する弁理士でした。
製造会社に属していたわけではないので、個人発明に似たような状況です。
それでもコータさんはフリック入力の発明によって、人生100回分稼いだらしいです。
大卒男性の平均生涯収入が約2億6000万円といわれていますからその100倍で260億円!?
なんてロマンあふれる話なのでしょう。
この本ではコータさんが弁理士として得た特許の知識と大学院で学んだ経営学、フリック入力の売却を通して知ったノウハウ、知見を伝えてくれています。
これを読んで、アイデアをマネタイズするための道筋がなんとなく見えました。
試しに何か発明に挑戦してみようかな、という気になりました。